■初診時の問診と検査
本院では、まず体調改善のために、鬱症状と自律神経系の症状を、問診していきます。自律神経というのは、主に内臓の筋肉の働きを制御している神経です。その中枢は大脳の奥、視床下部(ししょうかぶ)という所にあります。カイロプラクティック療法における整形学検査では、背骨と全身の歪みをチェックし、筋肉が極度に緊張したり、疲労している所はないか診ていきます。自律神経も背骨のところを通っているからです。つまり、自律神経の流れを整える必要があるからです。鬱病における鬱症状が進行するに従って、外出もおっくうになり、食欲不振・倦怠感による運動不足も重なって無気力になり、筋力も低下していきます。こうなると、仕事をする気力も体力も出ません。大切な事は、心と体のバランスにあるのです。
■ほぐし
毎回、ほぐし始めて患者さんの心身がだんだんリラックスしてきたところで、問診がてらにいろいろと伺っていきます。時間は充分あるのです。世間話から始まって、別にどんな事でもいいんです。出来れば何でも、吐き出していただきたいと思うのです。スキンシップというのは、基本的で最高のコミュニケーションなのです。ほぐしはこれに最適です。
■カイロプラクティック療法の施術による治療
ほぐしに続いて毎回、やはり骨盤を矯正し、全身の歪みを取る事から始めます。そして自律神経のバランスを整える施術をしていきます。一般的に本院の治療を受けている方は、腰痛の治療であれ、肩凝りの治療であれ、「最近、あまり細かい事が気にならなくなった・・・」と、よく言われます。カイロプラクティック療法の自律神経に対するアプローチは心にも影響を与えるのです。その逆はよく知られており、プレッシャーで胃がキリキリ痛いと言うのも、その理由からです。つまり、心と体は不可分なのです。自律神経は前述のように、主に内臓の筋肉の働きを制御しているものですが、自律神経には交感(こうかん)神経と副交感神経があります。このうち、カイロプラクティック療法では、主に副交感神経を活性化していきます。副交感神経は一般に夜働く神経です。眠くなると共に、内臓の筋肉の機能を活発にします。胃も腸も心臓も血管も気管も、筋肉で構成されています。ですから、それらの内臓の調子が良くなります。そして、私達が摂取した栄養素が、腸で充分吸収され、それが心臓や血管を通して、全身に行き渡ることが大切なのです。
ストレスの多い都会生活、疲れているのに寝付きが悪く、睡眠導入剤を服用している人も数多くいます。そんな中で、やはり1年以上も睡眠導入剤を服用していても、なかなか寝付かれないという患者さんが、肩こりの治療で見えました。肩こりというのは予約上の名目で、「実は鬱病があって・・・」という患者さんが結構多いのです。その患者さんは、副交感神経の活性化によって、その晩から熟睡です。その事をかかりつけのお医者さんに話したそうです。そうしたら、そのお医者さんは「長い間薬を飲んでも治らなかったものが、そんなに簡単に治る筈がない」と、言ったそうです。お医者さんの治療では、薬は途中でやめてはイケないのです。1年でも2年でも完治するまで、その症状に合わせて毎日、毎日飲み続けなければならないのです。それは、それしか手がないからです。カイロプラクティック療法では、薬を使わず、ヒトが本来持っている自然治癒力を活性化するために、違うやり方で自律神経にアプローチするのです。鬱症状や自律神経関連の治療効果は、すぐに出るとは限りません。むしろその方が多いのは事実です。しかし、他の治療法と比べたら、治療期間が圧倒的に短いのも事実です。 |
 |